花回廊のエントランス(西館)前の広場は紅い和傘と緋色(ひいろ)の毛氈(もうせん)でお茶席ができていました。すっかり「日本の秋」の風情です。後方のもみじも心持ち紅くなっているようでした。 緋色とは緋赤とも呼ばれる東洋で一番鮮やかな赤ということです。この赤に接すると何故か力が湧いてくるような気がします。 赤は古来より重要な色であったようですが、魔よけなどの呪術にも使われてきたそうです。墳墓に塗られた辰砂(硫化水銀を含んだ赤い塗料)は死者に魔がささないようにとの呪術でもあったということです。 同じように産まれて間もない子供を「赤ちゃん」と呼ぶのは、何も肌が赤いからだけではなく、赤という生命力に満ちた活気ある色で、危うい生命を守ろうとしているのに他ならないということです。赤の持つ力を日本では古来大切にしてきたのですね。
花回廊では秋の花フェスタの期間中、お茶とお菓子(300円)がこの席で楽しめるようです。お出かけください。(I) |