空気が秋色に染まり始める頃になると、なぜか訪れたくなる中国山地の真中の町・日野郡日南町。そして大田峠にある「野分の館」。ここには文豪・井上靖の文学碑や詩碑をはじめ原稿、著作が展示されています。 井上靖は、終戦間近の昭和20年6月、家族を日南町福栄村(現神福)に疎開させました。その縁があり、終戦戦後にかけてこの地を度々訪れています。小説「通夜の客」、詩「高原」「野分」などには、中国山地の印象が鮮やかに描き出されています。 この峠に立つと福栄村を見渡すことができますが、豊かな故郷の景色が広がっていました。井上靖が描いた中国山地の印象は、こういったものだったのでしょうね。心の拠所(よりどころ)であったのかもしれません。 秋が深まる10月、11月にかけて、このあたりは素敵なドライブコースとなります。出かけてみませんか!?(I) |