山麓・赤松林の中に合歓(ねむ)の花が咲いていました。 雨に濡れ、松の赤い幹が輝きをまし、合歓の花と印象的な風景をつくっていました。 合歓の木は、マメ科の落葉樹で、大山の山麓でもよく見られます。梅雨後半の今頃が花の見頃でしょうか。合歓の花は、日没前に開花して、夜になると葉は閉じて眠るように見えるので「ネムノキ」と言うそうですが、花の可憐さから、古(いにしえ)より歌の題材に良く使われています。こんなのがあります。 『我妹子が 形見の合歓は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも 』大伴家持
合歓と言えば、三重県伊勢にある有名なリゾ−ト「合歓の郷」を思い出します。1960年代後半にヤマハによって開設された新しいスタイルの本格的リゾート施設で、その後の日本のリゾート開発の手本にもなりました。ヤマハの音楽普及活動と歩調をあわせた文化の香り高い洗練された施設で、開設以来30数年そのコンセプトは朽ちることなく、今も人気の施設となっています。 その名前の由来が気になりました。まず由来のひとつはこの地が「合歓の花の群生地」であること。そして、もうひとつは、「歓びをわかち合う郷にしたい」という願いを込めてだそうです。・・・合歓の花を見ると、そんな素敵なリゾート「合歓の郷」を思い出す方も多いのではないでしょうか。(I) |