剣のような姿をした三鈷峰が真っ白に輝いていました。標高1516mの峰です。 この三鈷峰は写真のように独立峰に見えますが、裏側のユートピア(この辺りは夏にクガイソウなど高山植物の花畑となります)で大山の尾根とつながっていいます。 この峰の頂上は雄大な展望ができる場所で、南に大山北壁、北に日本海、東には矢筈ガ岳等のパノラマが広がっています。 さて、この峰の名前の由来ですが・・・、仏教(密教)で使う法具・三鈷に似ているところから命名されたようです。 独鈷杵(どっこしょ)、三鈷杵(さんこしょ)をはじめとする密教法具は魔を祓い煩悩を砕くといわれていますが、古代インドの武器であったものが、形を変え、仏の持ち物(菩提心の表象)として法具となったのだそうです。 そんなふうにこの峰を見ると、大山の見方が違ってくるように思います。 作家の司馬遼太郎は麓の米子から見た大山のことをポクト・オーラ{聖山:中国西域(シルクロード)天山山脈にある一峰で、年間を通じて真白な聖なる山}というほかにない・・・と表現しましたが、まさに真白な三鈷を随えた大山は“オーラ”を発しているように感じます。 ちなみに聖なることをポクト、山のことをオーラというそうです。 (I) |